イギリスの小金持ちにかこわれそうになった件

ある休日、いつものようにロンドンの

にぎやかな通りを歩いていると、

初老のイギリス紳士に声を掛けられた。

 

「ジャパニーズ・センターはどこか教えてもらえませんか?」

 

ジャパニーズセンターは日本の雑誌や何種類かの食べ物なんかを置いている店。

たまに

店頭に並べてある週刊誌の表紙を見て、

今 日本でどんなことが起きているのか

知ることができた。

 

私は紳士にすぐそこだ、と場所を告げた。

彼は、「私は不動産関係の仕事をしているんだが、今度 仕事でオオサカに行く予定なんだよ」

と言う。

「日本の話を少し聞きたいのですが、コーヒーでもどうかな」

、、、てなことを言う。

 

身なりのきちんとした紳士だし、

年齢も70代前半かなぁという位。

危険のキも感じなかったし、

ヒマだったし、

英会話の練習になるわ〜くらいの気持ちで

OKした。

 

 

彼がエスコートしたのは、

外観に憧れて一度行ってみたかった

『カフェ ロワイヤル』だった。

 

「今の人達はファストフードの店でよくお茶

するが、私はいつもここなんだ」

さすが〜!という貫禄。

 

コーヒーが運ばれて来た。

そしてチョコレートケーキも!

「あなたにこれも一緒に注文したんだが、

よかったかな」

 

スマートな対応に感動であった。

(続く)