イギリスの小金持ちにかこわれそうになった件 3

(前回より続き)

チェルシーは富裕層の暮らすエリア。

A氏のフラットの高級感のある雰囲気に、

やっぱいいなぁ、、、

なんて思う。

 

A氏が部屋のドアを開けると、、、

余裕のある生活が感じられる整った部屋。

 

 

ただ、人の気配なし、、、。

 

 

 

A氏は離婚後、独り生活していることは聞いていた。

 

今日、お掃除に来ているはずのハウスメイドはいずこに?

 

 

、、、気配なし!!

 

「どうだい? うちのハウスメイドはなかなか

いい仕事をするだろう?」

きれいに整った部屋に満足気なA氏。

 

 

ハウスメイドは仕事を終えて 

去った後なんだ、、、。

 

 

ヤバ!

 

一刻も早くここを去らなくちゃ!

 

 

「さあ何を食べに行くかな」とA氏。

 

そう、

今日はこれから外でランチする予定だった。

 

レストランガイドブックのような小冊子を手に

A氏は私の右隣にどっかっ、と座った。

初老なのでそんな動きになる。

 

気になるのは

その距離の近さよ〜!!

 

A氏は左手を私の肩にまわし、

右手で私の手を取って

いい部屋だろう、、等というようなことを

言っている。

 

ここに住むといい、等と。

 

 

は〜〜〜⁉︎

 

 

私の手を取っている手を

ゆる〜く上下に動かしながら、

自分の方へ。

自分の身体のよからぬ部分の上に持っていく。

 

!!!!!

 

「No !!!!」

 

彼の腕を振り払って私は立ち上がった。

 

 

私はもうじき日本に帰るって言ったでしょ?!

今日は最後の食事で楽しく過ごして、

ナイスな感じで、

バイバイしようと思ってたのに!!!

、、、というようなことを

英語でまくしたて、

 

もういいっ!!

 

そう言うと

思いきり音を立ててドアを閉め

飛び出した。

 

彼がどう思おうと知ったこっちゃない。

どうせ二度と会うこともない。

 

歳はとっていようと

あれはやっぱナンパだったのか、、、。

日本に行くというのも

ウソだったのだろう!

 

 

土地勘のない地域を足早に歩き回って

何とか駅にたどり着いた。

 

 

あ〜〜〜最悪。

 

 

かこわれの身になるところだった、、、。