ロンドンの地下鉄の駅で死にかけた話

日曜日はチャイルドシッターからも解放され、自由の身。

私はよくロンドン中心部へ出掛けた。

バスで20分程だったと記憶している。

 

仕事を辞めて留学して来ている身、

シッター料をもらうとはいえ、お小遣い程度。そうお金も使えないのだけれど、

街を歩きお店を見たり、人を見たり、

細かなものを買ったりすることが楽しかった。

 

ある冬の休日。

あまり体調がよくない感じがした。

が、迷わず出掛けた。

 

もともと体調不調の時も日常通り動きながら

直す方で寝込むことはまれだったし、

家におとなしくしていられない性格だった。

 

ピカデリーサーカスの地下鉄の駅で

呼吸困難になった。

 

痰が喉にからんで、咳をすることでそれを

取ろうとするのだけれど、

いくらゲホゲホやっても喉にへばりついて

動かない!

喉を通る空気がほんの細い隙間しか通らない

感覚で、

 

ヤバい、ヤバい、ヤバい、、、

 

駅の隅っこに行き壁の方を向いて

何とか痰を外へ出そうと必死で咳をする!

苦しくて涙が出てくる。

多分まわりの人はここまで苦しんでいるとは

気付いていないのだろう、、、。

 

やっとの思いでティッシュに口から吐き出した、それは、、、

 

水分のほとんどない、

固くなったガムのような痰だった。

 

 

死ぬかと思った。

 

 

その日の夕方から数日 熱が出た。

 

その頃のロンドンはインフルが大流行していた。