フランスの親友 2

フェリーでフランスに着き、

待ち合わせの駅へ向かう列車KGVに乗りこむ。

 

そこそこ混み合った車内、

数泊分の荷物を入れた鞄に気をつかう。

 

何時何分に出発、何時何分に到着、、、

旅の行程はすべてあらかじめ決めてある。

でないと怖くて。

 

全く見知らぬ地。

Dちゃんだけが頼りで行くんだから。

 

 

ドキドキしながら列車が動き出すのを

待っていた。

車内アナウンスが流れている。

フランス語だからわからない。

 

待っていた。

動き出すのを。

動き、、、

出さない。

 

   ⁉︎

 

 

 

何かのトラブルで出発が遅れているんだ!

 

さっきのアナウンス‼︎

 

ああ、、、、どうしよう‼︎‼︎

 

 

とにかく待ち合わせに遅れることを

Dちゃんに連絡せねば!

 

いつ発車するかわからない列車から

恐る恐る下りて、公衆電話を探した。

 

 

勤め先の電話番号をもらっていた。

何かあったらここへ連絡して、と。

仕事の後、私との待ち合わせ駅に来てくれることになっていた。

 

英語で電話をかけるなんてド緊張だ。

ましてや受け手はフランス人。

 

しかし、、、!

この非常事態にひるんではいられない。

 

電話をかけた。

Dちゃんは不在だった。

もう向かっていたのだろう。

 

冷や汗かきつつ、出てくれた男性に

何とか事態を説明した。

列車の出発を気にしながらも、

正確に伝わるよう何度か繰り返し、

相手が理解しているか確かめた。

 

 

そして急いで再び列車に乗り込んだ。

 

不安な気持ちを抱えて

数十分遅れて出発した列車での旅が

ようやく始まった。

 

 

 

パリ北駅に到着!

 

 

祈るような気持ちで

Dちゃんの姿を探す、、、

 

 

が、姿はなかった、、、。

 

泣きたい気持ち、、、。

 

(続く)